1・受水槽式

給水本管から送られてきた水をいったん受水槽に貯め、揚水ポンプで各住戸に送り届ける方式です(建物の屋上に高置水槽を置く方式(高架水槽方式)と置かない方式(加圧ポンプ方式)があります。

受水槽式の水道設備を貯水槽水道とよびますが、この貯水槽水道は、水の汚染を防止するために受水槽や高置水槽の清掃や点検などの管理が大変重要です。

貯水槽水道の管理については、下記水道法の簡易専用水道について参照ください。

受水槽の有効容量によって管理についての法的規制が異なります。

有効容量が10立方メートルを超えるもの(簡易専用水道といいます)

水道法で次のような管理義務が課せられています。

管理基準

水槽の掃除を1年以内ごとに1回、定期に、行うこと。

水槽の点検等有害物、汚水等によって水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講じること。
具体的には、貯水槽等の周囲の状態、亀裂、漏水箇所の有無、内部の状態、マンホールの状態、オーバー

フロー管、通気管、水抜管の状態等について検査をし、必要な場合は補修等を行う。

蛇口の水や水槽内の水の色、濁り、臭い、味などに異常を認めたときは、水道法で定める水質基準項目のうち必要と認めるものの水質検査を行うこと。

水が人の健康を害するおそれのあることを知ったときは、直ちに給水を停止し、かつ、その水を使用することが危険である旨を関係者に周知させる措置を講ずること。

登録検査機関の検査の受検

年に1回、厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受けること。

受水槽方式には大きく二つの方式があります。

(1)受水槽高架水槽方式

受水槽高架水槽方式とは、1階もしくは地下階に受水槽が、最上階に高架水槽があり水道本管から受水槽に給水された水をさらに屋上の高架水槽に一時的にためて使います。そのため災害等が発生して排水管が破損しても、貯水槽が空にならない限り水は使用できます。しかしその反面貯水槽の清掃を年1回行わなければならず経常的にメンテナンス費用が発生しますし、貯水槽本体も寿命があるため交換時には大きな費用が発生します。また水を供給するためにはポンプも必要になるため貯水槽だけでなくポンプのメンテナンス費用も発生します。築年数が10年以上のマンションはこのポンプの交換時期が到来するため、そのタイミングで給水方式を変更し貯水槽を経由しない方式への変更を検討してもいいと思います。もちろんそれ以上の年数が経ったマンションも日々メンテナンス費用が発生しますし、設置状況にもよりますが貯水槽も25年を超えると交換時期になるため、貯水槽交換とともに給水方式変更を検討して下さい。

(2)受水槽加圧ポンプ方式

「加圧ポンプ方式」とは、貯水槽にためた水を圧送ポンプ(加圧ポンプ、圧力ポンプ方式とも呼ばれております)で直接各戸へ供給する方式です。昭和40年代に登場し、昭和50年代後半以降、本格的

 に採用されており、平成の初期まで主流の給水方式「加圧ポンプ方式」で、貯水槽にためた水を 圧送ポンプ(加圧ポンプ、圧力ポンプ等とも呼ばれます)で直接各戸へ供給する方式です。

2・水道直結方式

 「水道直結方式」とは、貯水槽を設けず、水道本管から各戸に直接給水する方式で、これはさらに「増圧直結方式」と「直圧直結方式」に分類できます。
 「増圧直結方式」とは、水道本管からの水を増圧ポンプの圧力で各戸に直接給水する方式です。これは比較的新しい方式で、東京都が平成7年10月に初めて認可して以降、他の自治体の水道事業者でも認める所が増え、

普及しはじめました。給水管に増圧ポンプを設置し水圧の不足分を増圧して、中高層階まで直結給水する方式

メータ口径制限(東京都水道局)

:20ミリ以上(水理計算上可能な範囲)

建物階高制限:なし(水理計算上可能な範囲)

この増圧直結方式は20戸から120戸位までに多く採用されております。

また、このポンプを並列、直列等の設置をすることにより大型の高層マンションにも対応可能となりました。

「直圧直結方式」とは、水道本管から直接給水する方式で、通常地上3階までの建物に採用されています。 特例で4階以上のマンションにも可能のケースもあります。(東京都)